意思表示
第1節詐 欺
詐欺による契約

?問題 だまされて意思表示をした(=契約を締結した)Aは、契約を守らなければならないのだろうか。

!結論 詐欺による意思表示は、取り消すことができる(96条1項)*1



第三者との関係 *2

?問題 だまし取った土地をBがCに売却した場合、Bとの契約を取り消したAは、Cから土地を取り戻せるだろうか。

⬇ この点民法は、

!結論 詐欺による取消しは、善意*4 かつ無過失*5 の第三者には対抗できないとする(96条3項)。

⬇ つまり、

補足説明

*1「意思表示を取り消せる」ということは、「契約を取り消せる」ということと同じである。契約は、意思表示が一致することで成立するので、意思表示を取り消せば、契約もなかったことになるからである。

法律用語

*2第三者」とは、当事者以外の人を意味する。

法律用語

*3法律の世界では、「主張」を「対抗」と表現する。

法律用語

*4善 意」とは、ある事実を知らないことを意味する。反対語が「悪 意」。ある事実を知っていることを意味する。

法律用語

*5不注意のことを「過失」と言い、不注意がないことを「無過失」と言う。

補足説明

*1「意思表示を取り消せる」ということは、「契約を取り消せる」ということと同じである。契約は、意思表示が一致することで成立するので、意思表示を取り消せば、契約もなかったことになるからである。

法律用語

*2第三者」とは、当事者以外の人を意味する。

法律用語

*3法律の世界では、「主張」を「対抗」と表現する。

法律用語

*4善 意」とは、ある事実を知らないことを意味する。反対語が「悪 意」。ある事実を知っていることを意味する。

法律用語

*5不注意のことを「過失」と言い、不注意がないことを「無過失」と言う。

 Cが詐欺の事実を知らず、かつ、その点について不注意もなかった場合は、Aは取消しをCに対抗できない(=土地を取り戻せない)ということである。

⬇ 裏返せば、

 Cが詐欺の事実を知っていたか、または、知らなかったが不注意があった場合は、Aは取消しをCに対抗できる(=土地を取り戻せる)。



第三者による詐欺

?問題 第三者CがAをだました場合、AはBとの契約を取り消すことができるだろうか*1

!結論 第三者による詐欺は、相手方が悪意または過失がある場合は取り消せる(=相手方が善意・無過失なら取り消せない・96条2項)。

補足説明

*1だまされたAは、何としても契約を取り消したいところだが、相手方のBは何も悪いことをしていないので問題となる。


補足説明

*1だまされたAは、何としても契約を取り消したいところだが、相手方のBは何も悪いことをしていないので問題となる。

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AはA所有の甲土地をBに売却した。AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取り消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない。(16-3②)

▶︎ 解答はクリック

答え:×
詐欺を理由とした意思表示の取消しは、善意無過失の第三者には対抗できないが、悪意または過失のある第三者には対抗できる。この点は、第三者が登記を備えているかどうかに左右されない。したがって、Aによる詐欺を理由とした意思表示の取消し前に甲土地を取得したDが所有権移転登記を備えていたとしても、Dが詐欺の事実を知っていたときは、AはDに甲土地の所有権を主張できる。

過去問にチャレンジ!

A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約が締結された。Bは、第三者であるCから甲土地がリゾート開発される地域内になるとだまされて売買契約を締結した場合、AがCによる詐欺の事実を知っていたとしても、Bは本件売買契約を詐欺に理由に取り消すことはできない。(11-1②)

▶︎ 解答はクリック

答え:×
第三者による詐欺は、相手方が悪意または有過失であれば取り消すことができる。したがって、相手方Aが、第三者Cによる詐欺の事実を知っていたのであれば、Bは売買契約を取り消すことができる。